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イベント・レース・ツーリング前には点検を!

いつもご覧いただきありがとうございます。


今回は250EXC-F SIX DAYSのラリーコンピュータ・マップホルダーの動作チェックの


持ち込まれた経緯として、

AXCR(ASIA CROSS COUNTORY RALLY)という海外のラリーレイドへ参戦するに当たり、

以前に別の車種で使っていたラリーパーツ一式をEXCへ移設したがうまく作動しない。

ということで動作チェックと取り付けのご依頼を頂きました。


まずはどういった作業をしたか、一緒にバイクを見ながらヒアリングしていき、完成形がどういうイメージなのか擦り合わせていきます。

「f2r」というメーカーのマップホルダーキットとICOのラリーコンピュータ2個という構成で、

・GPSモデルのラリーコンは作動するけど、非GPSモデルが作動しない。

・マップを送るトグルスイッチも動かず、車速センサーも反応していない。

とのことでした。

とにかく正常に作動してくれればオッケー!というありがたいお言葉とともにお任せ頂きました!


というわけで早速、無事ラリーレイドを完走できるように修正・取り付けをしていきます!


「f2r」というメーカーのマップホルダーキットが初めて扱うもので、まずはどういったものなのか調べていきました。他メーカーとほぼ同じ部品構成なのですが、1つ異なる点としてこのキットには「POWER BOX」というものが付いていました。

これはラリーコンやマップホルダー、各スイッチの電源を一括管理するものです。

ここにトグルスイッチのコネクタも差し込むのですが、抜けていたためマップが送れませんでした。コネクタを差し込み作動したので、まずは1個クリア。

他の場所も見ていくと、

事前に聞いていたとおり電源はバッテリーから直接取られていたので、

マップホルダーのライトやGPSラリーコンが常時作動していました。

ラリーコンのメーカーマニュアルではシガーソケットなどは使わず、バッテリーから電源を取るように指示されていますが、POWER BOXで電源を管理している都合でマップホルダーのライトが常時点灯してしまいます。

電力の消費を抑えるためにACC電源を取り出し対策をすることにしました。


次にGPS非搭載のラリーコンの挙動がおかしかったので原因を探っていきます。

・通電している状態の時に、スマホの充電マークのようなものが点滅している。

・メーターの表示自体がついたり消えたりするときもある。

・通電していない時は正常に作動する(電池で稼働しているときの挙動として正常)

事前のヒアリングで「内蔵のボタン電池がなくなったか消耗しているので、充電マークが出ていると思う。」

と聞いていたので一旦ラリーコンの電池を交換することにしました。

しかし、開けてみるとボタン電池ではなく、充電池が埋め込まれていました。

メーカー本国のマニュアルを見てみると、ボタン電池ではなく内臓の充電池で構成されている。

という記載がありました。

外国語のみのマニュアルの読みにくさから勘違いをされていたのがわかったので電池に関しては一歩前進。

また、通電しているときに充電マークが点滅するのはラリーコンが配線上のエラーを感知した際に表示されるマークであり、充電切れではないことも判明しました。

これ以上は分解できないので、元に戻します。


一旦すべての配線を繋ぎすべてのパーツを仮組して各コネクタ間の配線の通電を調べていきました。

ラリーコンから電源ボックス間のコネクタで通電が途切れ途切れになっていました。

コードが動くとメーターが点いたり消えたり。このコードの被覆の中で配線が切れかかっているか何かで通電にムラがあるのだろうと考えこれを交換することにしました。


部品が来るまでの間に一旦すべてのパーツを組みつけ、次に車速センサーの部分に取り掛かりました。


まず車速センサーがディスクガードでふさがれており、マグネットから磁力を受けることが出来ませんでした。

また、ディスクガードがなくともセンサーとマグネットの位置が大きくずれているため、信号を得られません。

一旦センサーを外し、マグネットに近づけてみるとちゃんと反応したため、センサー自体は生きていました。


前回に取り付けていた車両に合わせたセンサーステーだったので、EXCには合わず適合するステーで取り付けしました。

純正のセンサーを分岐させそちらから取ることも可能なのですが、普段から装備しているわけではなく、その都度キット一式えを外すという事だったので、戻した後のことを考えセンサー用のステーの追加を選択しました。

やはり車種専用パーツが一番確実で、取り付け精度・整備性共に完璧ですね。

ディスクガードの小加工で干渉せずにセンサーと両立でき、工具もアクセスしやすくできます。

正常に信号も読み取りメーターにも表示されました。車速センサーもクリアです。


さて、交換用のコードも届き、あとは組み上げてからテストランです。


通電も問題なく確認でき、


GPS信号も受け、車速センサーの読み取りによりラリーコンも正常に表示されました。

GPSの取り付けもマップホルダーへ共締めし、一式を交換できるようにしています。


無事動作の確認が取れたので、テストランをしに行きます!


と思いきや、、、


乗車前の灯火類チェックでリアウインカーとナンバー灯が点いていません!

リア周りの灯火は意識してチェックしないと不具合って気づきにくい所ですよね。


これでは走りに行けない上に、レースのレギュレーション違反・車検の不合格となり失格扱いとなります。


早速修理していきます!

灯火類の場合まずは球切れを見てみますが、今回はフィラメントがちゃんと生きていました。


ウインカー本体の方を見てみると、、

転倒などの度重なる衝撃により、端子の受けの部分が変形していてうまく合わさらなかった為ウインカーが作動しませんでした。

ナンバー灯も配線やLEDの球が切れているのではなく、本体が壊れてダメになっており点灯せずでした。

本体が壊れていたら交換するしかありません。この際なのでウインカーも両方交換しておき、片側はスペアパーツとして残しておきましょう。

はい。バッチリですね!


というわけでテストランに行ってきました。

GPSのCAPもトリップも正常に作動!UTC時間の設定もOK!周長設定もトリップの調整、マップ送りも全て問題なく動作しました。

これで本番を迎えられます!



今回はレース参戦を目前に、カスタムがうまくいかず入庫頂きましたが、ついでに不具合も解消することができました。


ツーリングした先の現地で修理となるとなかなか難しいと思いますし、レースやイベントなら参加できずに終了してしまうことも考えられます。

普段からご自身でチェックされている方も、次回は点検を任せてみると新たな気づきがあるかもしれません。

レースの他、イベントやロングツーリング、他にもいつもと違った使い方をする前には一度点検をしてみては如何でしょうか?


作業の具合によってはお日にちを頂きます。

余裕をもって入庫予約をして頂くことをおすすめいたします!



KTM京都

ベイシストオート山科店

京都市山科区北花山大林町38-3

075-286-8626

営業時間11~20時

定休日 月曜日





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